ビットコインのマイニングの仕組みについて

ビットコイン(仮想通貨)の取引記録(台帳)はブロックチェーンと呼ばれるデータに格納されています。

従来型の電子マネーであれば、取引台帳は運営企業により1台のホストコンピュータで管理されます。
これに対して仮想通貨の取引台帳(ブロックチェーン)は特定のホストコンピュータではなく、誰でも自由に参加可能なマイニング作業によって記帳・管理される仕組みが採用されています。

ビットコインの場合は約10分ごとに取引情報をまとめてブロックと呼ばれるデータに格納され、既存のブロックチェーンに結合されることで正式に取引が認められます。

マイニングとは、ブロックを作成してチェーンに結合する作業です。
ブロックをチェーンに結合するためには、最新のブロック内の情報の一部から作成された課題の答えを得る必要があります。

ブロックごとに課題が出題され、コンピュータで計算させることで世界で一番早く課題の答え(key)を見つけてブロックを結合することができたマイニング参加者には、新たに発行されるコイン(2017年時点では12.5BTC)とブロック内の送金手数料が報酬として与えられます。

keyを見つけるためには計算能力が高いコンピュータでマイニングを行う必要があり、計算能力に比例して報酬額が増えますが、電気代や設備の維持費用も必要です。報酬のコインを取引して得られる収入が、施設の維持費や電気代を上回れば利益が得られます。

ビットコイン(仮想通貨)の採掘方法

ビットコインの採掘方法ですが、インターネットに接続されているコンピュータに無料で配布されているマイニング用のプログラムをインストールしてプログラムを実行させるだけです。

家庭用のPCの他に、ビットコインの採掘専用に設計されたASIC(計算機)を利用することもできます。有料のASIC採掘機を購入するためには初期投資が必要になりますが、パソコンに搭載されているCPUやGPUで採掘作業を行うよりも電力の消費を低く抑えることができます。

最近は日本の企業もビットコインのマイニング事業に参入を検討している所があります。
2017年9月に、大手プロバイダーのGMOインターネットが半導体メーカと次世代型のASIC採掘機を共同開発し、ビットコインの採掘事業を行う事を発表しました。

同社は高性能の次世代型チップを採用したASIC採掘機を活用してマイニングを行うほか、このチップを搭載したASICボードの販売も行う予定です。
個人でも高性能のASIC採掘機を入手して、自宅でビットコインを採掘することができます

GMOインターネットではマイニングプールの運営も予定しています。
個人でマイニングを行う人であればマイニングプールに登録して、計算量に応じてビットコインを受け取ることもできます。

ブロックチェーンの仕組みについて

ビットコインは証書や硬貨などの実体が存在しない仮想通貨で、コインの取引情報(アカウント間の送金手続きのデータ)はブロックと呼ばれる“出納帳”に記録される仕組みになっています。現金の受け渡しをしないで、出納帳の口座残高を書き換えることで送金・入金が行われるという点では銀行預金も同じです。

ビットコインが既存の通貨と大きく異なる点は、特定の管理者を必要としないことです。
銀行は不正を働かないという前提で口座残高のデータが管理されていますが、ビットコインの取引記録は世界中で大勢のマイナーによって共有されています。

ビットコインでは誰かが取引記録を不正に書き換えたり、二重送金などの不正行為ができないようにするために、ブロックチェーンと呼ばれる技術が採用されています。

自分のコインを誰かの口座に送金する際は送金依頼を行います。10分毎に送金依頼がまとめられ、ブロックと呼ばれる“出納帳”に記帳されると送金手続きが完了します。
新たなブロックを生成するためには直前のブロックから抽出されたデータを元に作成された課題の正答が必要で、正答を得るためには膨大な計算量を必要とします。

もしも何者かが既に作成されたブロック内の取引情報を不正に改変すると、それ以後の全てのブロックの内容が矛盾することになります。

マイナーは常に既存のブロック内の情報に矛盾がないことを確認(承認)して、不正防止が図られるシステムになっています。

取引された仮想通貨は全てデータとして記録されている

仮想通貨では紙幣や硬貨が存在せず、アドレス(口座)内の残高や送金記録は全てデータとして管理されています。ビットコインを所有するとは、自分が送金用の秘密鍵を持つアカウント(口座)内に一定の残高があるというデータが存在することです。コイン残高や取引記録(出納帳)は1本のブロックチェーンに記述されていて、誰でも閲覧ができるように公開されています。

PCやモバイル端末にウォレットアプリをインストールすれば、自分のアカウント内にあるコイン残高を確認したり、送金手続きをすることができます

ウォレットアプリを起動すると最初にインターネット上で公開されているブロックチェーンの情報を読み込んで、自分のアカウントにある残高を確認します。
ウォレットアプリを利用すれば、ブロックチェーンの情報を読み込んで自分や他の人の取引情報を自由に閲覧することができます。ウォレットアプリを利用しなくても、ブラウザで「https://blockchain.info/」などの特定のサイトにアクセスすればビットコイン取引の全記録を照会することも可能です。

銀行口座のデータは1箇所で管理されていますが、ビットコインの情報は世界中に存在する無数のコンピュータで共有されて、改変ができないシステムになっています。
このためビットコインの取引情報が失われるリスクは極めて低く、安全性が高い通貨なのです。